
ケアマネジャーの皆様、日々の業務、本当にお疲れ様です。 アセスメント、サービス調整、そして膨大な書類作成…。中でも「ケアプラン(居宅サービス計画書)」の作成は、思考力と時間を最も使う業務の一つではないでしょうか。
「ITで劇的!業務カイゼン術」シリーズ。 今回は、今話題の生成AIツール、Gemini(ジェミニ)を使って、「ケアプラン作成にかかる時間を大幅に短縮し、かつ質の高いプランを作成する禁断のワザ」を公開します。
実は私、この方法を取り入れてから、デスクワークの時間が劇的に減り、利用者様と向き合う時間や、自分自身の休息時間を増やせるようになりました。
「AIなんて難しそう…」と思っているあなたにこそ、ぜひ読んでいただきたい内容です。
これまでの悩み:Geminiはすごいけど、毎回入力するのが面倒…
Gemini単体でも、アセスメント内容を入力すれば、驚くほど精度の高いケアプランの原案を出してくれます。
しかし、実際に業務で使おうとすると、面倒を思うことがありました。それは、「毎回、同じような前提条件を入力しなければならない」ということです。
例えば、毎回このようなプロンプト(指示)を入力していませんでしたか?
【従来のGemini利用時のプロンプト例】
「あなたはベテランの主任ケアマネジャーです。以下の利用者のアセスメント情報に基づき、居宅サービス計画書(1)(2)を作成してください。 作成にあたっては、以下の条件を守ってください。
- 利用者の自立支援、重度化防止を意識した内容にすること。
- 専門用語を多用せず、利用者や家族にも分かりやすい言葉を使うこと。
- 課題(ニーズ)に対する目標は、測定可能で具体的な内容にすること。
- 期間は〇ヶ月とすること。
- 長期・短期目標は「~できる」で表現すること・・・など。
- 【アセスメント情報】 (ここに長文のアセスメントを入力…)
この「前提条件(Roleやルール)」の部分、毎回コピー&ペーストするのも大変ですし、入力し忘れると出力の質が落ちてしまいます。
「もっと楽に、アセスメント情報だけを入力すればいいようにできないか?」
それを解決してくれたのが、Geminiの有料版(Gemini Advanced)などで使える機能、「Gem(ジェム)」でした。現在は無料版でも使えるようになっています。
解決策:あなた専用のAIアシスタント「Gem」を作ろう!
「Gem」とは、一言で言うと「特定の目的のために、あらかじめ指示内容(前提条件やルール)を記憶させた、あなた専用のカスタマイズAI」のことです。
私は、このGem機能を使って「ケアプラン作成専門アシスタント」を作りました。

左側のメニューバーにある「Gem」をクリック ※もし左側にこの項目が見えない場合は、左上の「三」をクリックしてください。

マイGemの右側にある「+Gemを作成」をクリックしてください。

・名前は、自分が作りたいものにあった名前ならなんでも。私は「居宅サービス計画書作成支援ツール」と名付けました。 ・説明は、このGemが何をするものか。 ・カスタム指示は、ここが重要です。Geminiに守らせたいルールを詳しく入力します。
私が実際に「指示」欄に入力している内容です。 以下の内容をコピーして、Gemの「指示」欄に貼り付けてみてください。
あなたは、実務経験20年のベテラン主任介護支援専門員(ケアマネジャー)です。 利用者の自立支援、重度化防止、QOL向上を最優先に考える、深く温かい視点を持っています。私が提供する「利用者のアセスメント情報」に基づき、居宅サービス計画書(1)及び(2)の原案を作成してください。
- 自立支援の視点: 「〜してもらう」ではなく、「〜できるようになる」「〜を維持する」といった、利用者の力を引き出す表現にしてください。
- 分かりやすい表現: 専門用語(ADL、IADL、褥瘡など)は極力避け、利用者や家族が読んで理解できる平易な日本語にしてください。
- 具体的かつ測定可能な目標: 長期目標・短期目標は、「~できる」の表現で、短期目標は、何を、どうするか、が客観的に分かるようにしてください。
- アセスメントとの連動: アセスメントで挙げられた課題、意向、強み(ストレングス)が、必ずプランのニーズや目標、サービス内容に反映されているようにしてください。
- 出力フォーマット:
〇居宅サービス計画書(1)
- 利用者及び家族の生活に対する意向
- 利用者及び家族の意向を踏まえて
- 総合的な援助の方針(私は200文字程度と設定していますがお好みで)
〇居宅サービス計画書(2)
- 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
- 目標(長期目標)
- 目標(短期目標・期間〇ヶ月)
- サービス内容
※ニーズが複数ある場合は、項目を分けて作成してください。
指示を入力し終えたら、プレビューで動作を確認(任意)し、画面上部にある「保存」ボタンをクリックして完了です。
Gemを作成した後の劇的な変化
これまでは、Geminiを立ち上げるたびに、前提条件とアセスメントを入力していました。 しかし、専用のGemを作成してからは、以下のようになります。
- 作成したGem(例:「ケアプラン作成君」)を呼び出す。
- アセスメント結果だけを入力する。
- 完了!
AIはあらかじめ「あなたはケアマネ」「自立支援重視」「分かりやすい言葉で」というルールを記憶しているので、アセスメントを入力するだけで、即座にルールに従った高品質なプラン原案を作成してくれます。
一度作ってしまえば、あとは本当に楽です。
- Geminiのメニューから、作成した、あなたが名付けた名前で、私の場合は「ケアプラン作成支援ツール」をクリックします。
- チャット欄に、「アセスメント情報:」と入力し、その後にインテークやアセスメントで得たメモをそのまま貼り付けます。(要約されていなくても大丈夫です。Geminiが文脈を読み取ります)

ただ、AIは間違いもありますので、必ず確認する必要があります。必要に応じて自分なりの表現に変えてもいいと思います。


ITは「人間が人間らしい仕事をするため」のツール
いかがでしたでしょうか。 生成AI、特にGeminiの「Gem」機能を使うことで、ケアプラン作成の「単純作業」の部分(文章の構成、前提ルールの適用)をAIに任せ、「思考作業」の部分(利用者の本当のニーズの汲み取り、プランの最終調整)に人間が集中できるようになります。
これにより、業務時間が短縮されるだけでなく、結果としてケアプランの質も高まると私は確信しています。
個人情報の保護: Gemini(特に無料版や、企業向けではない設定)に、利用者の氏名、住所、電話番号、具体的な生年月日などの個人情報は絶対に入力しないでください。
AIは間違える: AIが出力した内容は、あくまで「原案」です。必ず人間のケアマネジャーが内容を精査し、事実と異なる点や、不適切な表現がないか確認してください。最終的な責任はケアマネジャーにあります。
ITツールを賢く使って、激務の日々から抜け出し、より良いケアマネジメントを目指していきましょう!




