利用者と家族の信頼を得る!ケアマネのヒアリング術と傾聴のコツ

利用者と家族の信頼を得る!ケアマネのヒアリング術と傾聴のコツ

「利用者さんやご家族との信頼関係を築くには、とにかく『傾聴』が一番!」 ケアマネジャーの皆さんも、研修などで耳にタコができるほど言われている言葉ですよね。

現役主任ケアマネの私(shin)も、この「傾聴」を何より大切にしています。特に行き詰まっているご家族の相談事は、どんな内容でもまずは「そうですよね、大変ですよね」と全肯定して聞いていたんです。

しかしある時、ご家族の話を熱心に聞きすぎた結果、肝心の利用者さん本人から「あんたは家族の味方だ!」と嫌われ、心を閉ざされてしまうという大失敗を経験しました。

今回は、私が現場で痛い目を見て学んだ「傾聴の罠」と、利用者さん・ご家族の“両方”と信頼関係を築くための「ヒアリングのコツ」を赤裸々にお話しします。

私が陥った「傾聴の罠」:目の前で置き去りにされる利用者さん

訪問した際、介護に疲れているご家族は、ケアマネが来ると堰を切ったように話し始めます。 「この人、最近夜中に何度も起きて本当に困るんです」 「デイサービスに行ってくれないから、私の時間がなくて……」

その時の私は、「ご家族のストレスを受け止めなきゃ!」と必死になり、「それは大変ですね」「お疲れですよね」と深く頷いていました。

でも、ちょっと想像してみてください。 すぐ隣に座っている利用者さん本人からすれば、「自分の目の前で、自分の担当であるケアマネが、自分の悪口で盛り上がっている」ようにしか見えるかもしれませんよね。「私の担当でしょ、どうして私に聞かないでうちの嫁に聞いているの」と言われたりしました。

shin
shin

息子嫁が、頑固な性格の利用者さんに振りまわれて、私の前で何度か泣いてしまうことや息子嫁が、利用者の被害妄想の対象になっていて、何度か私の前で泣いたことがあって、その時は何とかしてあげたいと必死でした。

私が家族を肯定すればするほど、利用者さんは「私はお荷物なんだ」「このケアマネは、私を施設に入れるために家族と結託しているんだ」と警戒心を強めていたのです。これが、私が陥った「傾聴の罠」でした。

誰のためのケアマネか?「主役」を見失わない

この失敗から私が学んだ最大の教訓は、「ケアマネジャーは、どこまでいっても『利用者さん本人』の味方(代弁者)でなければならない」ということです。

もちろん、ご家族のレスパイト(休息)も重要です。しかし、契約の主体であり、支援の主役は利用者さんです。ご家族の要望を100%叶えるために、利用者さんの尊厳をないがしろにしてはいけません。

では、どうすれば利用者さんを傷つけずに、ご家族の思いも汲み取ることができるのでしょうか?

明日から使える!両方と信頼関係を築くヒアリングのコツ

私が現在、日々の訪問で気をつけている実践的なヒアリング術を3つご紹介します。

  1. 座る位置と視線のコントロール(必ず本人を向く) 訪問時、ご家族の顔ばかり見て話していませんか?私は必ず、「体ごと利用者さん本人の方を向いて」座るようにしています。ご家族が横から口を挟んできても、視線は利用者さんに向けたまま、「〇〇さん、息子さんはこう仰っていますが、ご自身はどう思われますか?」と、必ず本人を主語にして会話のキャッチボールをします。
  2. 家族への同調は「受容」にとどめる ご家族の「この人、本当に頑固で困る!」という愚痴に対して、「頑固で困りますね(同意)」と返すのはNGです。 「息子さんは、お父様が言うことを聞いてくれなくて、お疲れが溜まっているんですね(受容)」と返します。 「あなたが疲れていることは理解した」というメッセージを伝えつつ、「利用者さんが悪い」という家族の意見には乗っからないのが、プロの線引きです。
  3. 本当の愚痴は「別室」か「後で電話」で聞く ご家族がどうしても感情的になり、利用者さんの前でネガティブな発言が止まらない時があります。そんな時は、「お母様、少し息子さんと書類の確認をしてきますね」と別室(玄関先など)に移動するか、「後ほど事業所に戻ってから、ゆっくりお電話しますね」と、物理的に会話の場を切り離します。 本人の尊厳を守るための、大切なテクニックです。
shin
shin

訪問したら、まず最初に利用者に挨拶をして話を聞いています。利用者の前では都合悪い事について家族から話を聞く時は、電話か別室で話をするようにしています。でも、利用者の代弁者として、利用者の思いを家族にも理解してもらうようにしています。

傾聴とは、全員の言いなりになることではない

  • 家族の話ばかり聞くと、利用者さんに疎外感を与えてしまう。
  • ケアマネはあくまで「利用者さん本人」の一番の味方であること。
  • 家族の愚痴は本人の前で同意せず、別室や電話でフォローする。

「傾聴」は、相手の言うことをすべて肯定し、言いなりになることではありません。 利用者さんの「こう生きたい」という声なき声と、ご家族の「もう限界」というSOS、その両方をバランスよく拾い上げることが、私たちケアマネジャーの腕の見せ所です。

「家族の味方ばかりして!」と怒られてしまったあの日の失敗を胸に、私もまだまだ修行の毎日です。一緒に、本当の意味での「傾聴力」を磨いていきましょうね!

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