
「日中、親が家で一人きりになるのが心配……」「お風呂に入りたがらないけど、家で介助するのは体力的にきつい」
無事に介護保険の申請が終わり、担当のケアマネジャーも決まったご家族の皆さん、次は「どんなサービスを使うか」を決めるステップですね。
はじめまして!現役主任ケアマネジャーのshinです。 介護保険にはたくさんのサービスがありますが、その中で最も多くの方が利用し、生活の柱となるのが「デイサービス(通所介護)」です。
しかし、「デイサービスって具体的に何をしてくれるの?」「うちの親は人見知りだけど大丈夫?」と不安に思う方も多いはず。 今回は、デイサービスの基本的な役割と、現役ケアマネが教える「親にぴったりのデイサービスの選び方・賢い使い方」を分かりやすくお伝えします。
デイサービス(通所介護)とは?基本的な役割と目的
デイサービスとは、朝ご自宅までお迎えに行き、日中の時間を施設で過ごしていただき、夕方またご自宅までお送りする「日帰り」の介護サービスです。
デイサービスの主な目的は以下の通りです。
- 社会的交流・閉じこもり防止
- 運動機能の維持・向上
- 入浴、食事の提供
- ご家族の介護負担軽減(レスパイト)
【デイサービスでしてくれること(基本の1日)】
- 健康チェック:到着後、看護師などが血圧や体温を測り、その日の体調を確認します。
- 入浴:ご自宅のお風呂に入るのが不安な方も、スタッフの介助で安全に入浴できます。(※これが一番の目的という方も多いです!)
- 食事:栄養バランスの取れた温かいお昼ご飯を食べます。飲み込みやすい食事(刻み食など)の対応も可能です。
- 体操・レクリエーション:体を動かしたり、脳トレをしたり、他の利用者さんと交流します。
- 他、施設によって違いあり:定期的にお出かけをしている施設や、ゲームに工夫と取り入れている施設、趣味活動に力を入れている施設など。
他、施設によってお出かけや独自のゲーム、趣味活動に力を入れているところもあります。
「ずっと家にいて誰とも話さない」という状態を防ぎ、ご本人の心身の健康を保つのがデイサービスの大きな役割です。
施設ごとに全然違う!デイサービスの種類
実は、デイサービスは全国にコンビニの数ほどあり、施設によってカラー(特徴)が全く違います。「どこでも同じ」ではありません。
【こんなデイサービスがあります】
- ワイワイ賑やかタイプ:カラオケやゲーム大会など、みんなで盛り上がるのが好きな方向け。
- リハビリ特化タイプ:マシントレーニングなどで「体を動かすこと」に特化した、半日(午前のみ・午後のみ)の施設。男性に人気です!
- 少人数・アットホームタイプ:古民家などを改装し、少人数でゆったり過ごせる施設。人見知りの方や、認知症の方でも落ち着いて過ごしやすいです。(10人程度の小規模デイ)
- 趣味特化タイプ:料理、陶芸、麻雀、お出かけなど、特定の趣味に力を入れている施設。
親御さんに気持ちよく通ってもらうためには、事前のリサーチがとても重要です。

デイケア(通所リハビリテーション)との違い デイケアは病院などの医師の指示のもとで、専門的なリハビリを行いますが、リハビリ特化型デイサービスは通常、医師は常駐せず、機能訓練指導員(理学療法士、作業療法士、看護職員など)が中心となって、運動や体操、機械を使用した機能訓練により、身体機能の維持・向上を目指します。
現役ケアマネ直伝!親に合うデイサービスの賢い選び方
親御さんにぴったりのデイサービスを選ぶには、担当のケアマネジャーに「親の性格」を伝えることが最大のコツです。
ケアマネへの相談がカギ!複数の候補を
ケアマネジャーは地域の施設情報を網羅しています。また、介護保険の運営基準では、利用者はケアマネに対して、複数のサービス事業所の紹介を求めることができるようになっています。
担当のケアマネジャーに、以下のように相談してみてください。
- 「うちの親は昔から無口で、集団行動が苦手です」
- 「お風呂だけ入れてくれればいいです」
- 「体を動かしたいみたいです」
このように、親御さんの性格や今までの生活歴、ご家族の希望を正直に伝えてください。 ケアマネジャーは「それなら、あそこのデイサービスが合いそうですね」と、ぴったりの候補をいくつか提案してくれます。複数の候補を聞いて、選ぶのがおすすめです。
趣味や好みを伝えて、意欲向上につなげる
また、利用者の趣味や好きな事をデイサービスで取り入れてもらえないか相談してみるのも良いでしょう。デイサービスを利用することによって、生活の意欲向上につながる可能性があります。
「行きたくない」と言われたら?お試し利用と時間相談
「行きたくない!」と最初は渋る親御さんも多いですが、焦らずゆっくり進めましょう。
まずは「お試し・体験利用」へ
多くの施設で、お試し利用や見学を受け付けています。まずは見学や「お試し利用(体験)」に行ってみるのがおすすめです。実際に施設の雰囲気を見て、他の利用者さんやスタッフと触れ合うことで、不安が解消されることもあります。
時間相談も可能
デイサービスは、朝から午後3時か4時くらいまでとなっていることが多いです。「時間が長いから嫌」など、どうしても親御さんがデイサービスに行くのを嫌がる場合は、短時間で終了できないか、または短時間のデイサービスの選択肢がないか、ケアマネジャーに相談してみてください。
ケアマネジャーがデイサービスに相談してくれるはずです。結構、融通の利くデイサービスもあるものです。ケアマネジャーと相談しながら、焦らずゆっくり、親御さんの居場所を見つけていきましょう。
ご家族にこそ伝えたい、デイサービスのもう一つの大切な役割
最後に、私からご家族の皆様にどうしてもお伝えしたいことがあります。 デイサービスには、ご本人のためだけでなく、「ご家族が介護から離れてホッと一息つく時間(レスパイト)」を作るという非常に重要な目的があります。
「親を施設に預けて、自分は遊びに行ったり、家でゴロゴロしていてもいいのだろうか……」と罪悪感を持ってしまうご家族がいますが、全く問題ありません!むしろ、そうしてください。

ケアマネが、しっかりアセスメントを行い、デイサービスの利用が、介護者のレスパイト目的でもあることの意味を、しっかり持っている必要がありますので、担当のケアマネさんに、遠慮なく相談してください。
親御さんがデイサービスに行っている間は、お友達とランチに行ったり、美容院に行ったり、ただゆっくりお茶を飲んだりして、ご自身の心と体をしっかり休めてください。 ご家族が笑顔でいることが、結果的に親御さんの安心に繋がり、長く自宅での生活を続けるための最大の秘訣になります。
まとめ:まずは「お試し利用」に行ってみよう!
- デイサービスは、社会的交流、閉じこもり防止、運動、入浴ができる日帰りのサービス。
- 施設によって特徴が違うため、親の性格に合わせてケアマネに複数の候補を提案してもらう。
- 趣味を取り入れてもらえるか相談し、意欲向上につなげる。
- 行きたがらない場合は、お試し利用や短時間利用、時間短縮をケアマネに相談する。
- 家族にとっては、自分の時間を作るための大切なレスパイト(休息)の場。
まずは見学や「お試し利用」に行ってみるのがおすすめです。ケアマネジャーと相談しながら、焦らずゆっくり、親御さんの居場所を見つけていきましょう。




