
ケアマネジャーの皆さん、日々の利用者様へのご支援、本当にお疲れ様です! 在宅介護の現場で、「夜間のせん妄がひどくて、家族が全く眠れていない」というSOSを受けたことはありませんか?
ご家族が限界を迎えているのに、かかりつけ医の事情ですぐに診察してもらえない……。 そんな絶望的な状況に直面し、どう動くべきか頭を抱えてしまうことも多いですよね。
この記事では、私が実際に担当し、急激な夜間せん妄で妻が疲弊しきったケースの「リアルな対応と解決策」をお伝えします。 これを読めば、いざという時の「専門医療機関へのつなぎ方」や、家族を孤立から救うケアマネの立ち回りが具体的に分かりますよ。
かかりつけ医が動けない!?妻が限界を迎えたリアルなケース
在宅介護において、急な状態変化への対応はケアマネの腕の見せ所です。 しかし、医療側の事情でスムーズにいかないことも多々あります。
今回私が担当したケースでは、以下のような過酷な状況が起きていました。
【ケースの状況と課題】
- 利用者様(夫)の夜間せん妄が急激に悪化
- 同居する妻が夜も眠れず、心身ともに限界状態
- かかりつけ病院は、脳血管疾患やパーキンソン病が専門の医療機関で、診察は2カ月に1回となっている。
- 医師は非常勤で週1回のみ、臨時での診察はできず、医療の壁にぶつかる

私が担当する前からこの医療機関にかかっていましたが、脳血管疾患等の既往歴はなく、せん妄で相談されていました。
ご家族(妻)は困り果て、「もうどうにもならない……」と完全に孤立しそうな状態でした。 でも「できるだけ、この家で私が見てあげたい」という思いもあって、かなり我慢されている状態でした。域の協力はなかなか得られるものではないですし、認知症の対応は理解がないと難しいですから、ケアマネである私が動くしかなかったのです。
最終手段!「認知症疾患医療センター」の活用
私は普段、家族に認知症の対応方法を説明したり、役立つレンタル用具を提案したりして、まずは環境調整を図ります。 しかし、今回はそれだけでは対応しきれないと判断しました。
そこでPREP法(結論・理由・具体例・結論)を用いて、今回の解決策を解説します。
- P(結論):かかりつけ医で対応できない急なせん妄には、「認知症疾患医療センター」への相談が非常に有効です。
- R(理由):認知症の専門医による的確な診断と、症状に合わせた細やかな薬の調整が期待できるからです。
- E(具体例): 専門機関の受診を嫌がるご家族も多いですが、今回は妻も限界だったため、すんなりと受診に同意してくれました。 私が直接センターへ相談して予約を取り、受診にも同行しました。その結果、新しく処方されたお薬が見事に合い、夜間のせん妄がスッと落ち着いたのです。
- P(結論):私は専門機関の受診を「最終手段」と考えていますが、いざという時の強力な連携先として機能します。
ためらわずに専門機関を頼ることが、結果的にご家族を救う最短ルートになります。

認知症疾患医療センターの受診を「最終手段と考えている」とお伝えしたのは、これまでの経験から「最終手段」と考えるようになりましたが、早期の受診が効果的な場合もあると思います。また、ショートや施設入所を検討するようになったら尚更受診は必要ですよね。そのことも含めて、ご家族にはある段階になってからは説明しています。
ケアマネの負担は大きい。でも、得られるやりがいも大きい
今回のケースでは、事態が落ち着くまでに私自身の負担も決して小さくありませんでした。
- 状況に応じた急遽の自宅訪問
- 専門機関への事前の情報提供と調整
- 病院受診への同行支援

娘さんから、「父が暴れて母を殴っている」と連絡を受けて、緊急訪問したことがあります。これまでかかっていた病院は、暴言、暴力まで発展したら診れないと言われていたそうです。
かかっていた病院は、脳血管疾患やパーキンソン関連疾患が専門ですしね。これが認知症疾患医療センターであれば、相談に乗ってくれたでしょう。
自分の業務時間を大きく削られ、正直「大変だ……」と感じる瞬間もありました。 しかし、利用者様が穏やかな時間を取り戻し、奥様から「本当にありがとうございました」と心からのお礼の連絡をいただいた時、すべての苦労が報われました。
主任ケアマネになった今でも、「あの判断で良かったのか」と支援の正解に迷うことはあります。 それでも、利用者様とご家族の生活が安定したという「結果」こそが、私たちケアマネの存在意義なのだと強く感じています。
まとめ
今回は、在宅での夜間せん妄に対するケアマネの具体的な対応についてお話ししました。 記事の重要なポイントをまとめます。
【本記事のまとめ】
- 医療連携の壁にぶつかったら、一人で抱え込まず専門機関を頼る
- 「認知症疾患医療センター」は、急なせん妄悪化の強い味方になる
- 急な訪問や受診同行など負担は増えるが、家族の孤立を防ぐ役割は大きい
- 主任ケアマネであっても支援に迷うのは当然。結果オーライで前に進む!
そのあとは、私は認知症疾患医療センターの精神保健福祉士に相談して初回受診につなぎました。緊急訪問や初回受診の相談、予約など「これは、ケアマネの役割なのか、ここまでする必要があるのか」と思うことや思われることもあるかと思いますが、「ケアマネの役割は重要である」と私は思っています。
家族が孤立しがちな在宅介護において、ケアマネは暗闇を照らす「灯台」のような存在です。 大変なことも多いですが、私たちの支援がご家族の笑顔につながることを信じて、明日からの業務も頑張っていきましょう。


