
ケアマネジャーの皆さま、毎月の訪問スケジュール調整と月末のバタバタ劇、本当にお疲れ様です。
今回は「ケアマネの仕事術&リアル」のカテゴリーから、月末に新規利用者の依頼が来たときに陥りやすい「月末の担当者会議とモニタリングの関係」についてお話しします。
「月の終わりに担当者会議してサービス利用開始したけど、もう日がないしご本人やご家族も嫌がっているから、今月のモニタリングはやらなくていいよね(来月でいいや)」 ……もし、あなたの周りにこんな「勝手な解釈」をしているケアマネさんがいたら、全力で止めてあげてください。それ、運営基準違反として指導される可能性の高い、非常に危険な考え方です。
この記事では、現場のリアルな葛藤と、ケアマネ自身を守るための正しい対応について分かりやすくまとめました。ここを読むだけで、月末のイレギュラーな対応に迷わなくなり、自信を持って業務を進められるようになりますよ。

新規利用者だけではなく、現在担当している利用者から、サービス追加変更の相談を受けた場合も同じですね。
【結論】「昨日会ったから」でモニタリングを飛ばすのは危険

昨日(30日)担当者会議で自宅に行って本人に会ったばかりだし、本人や家族も都合が悪いと言っているから、初回のモニタリングは翌月(来月)にまとめてやればいいよね
結論から言うと、月末にサービスを開始した場合でも、その月内のモニタリング訪問は必須です。
「昨日(30日)担当者会議で自宅に行って本人に会ったばかりだし……」
そのお気持ちは、痛いほどよく分かります。 しかし、これを勝手に翌月に回してしまうと、大きな問題に発展する可能性があります。
なぜなら、私たちが守るべきルールには、以下のように厳格に定められているからです。
【指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準】 第13条 第14号 介護支援専門員は、(中略)特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。 イ 少なくとも一月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。 ロ 少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること。
ここで言う「1か月」とは、カレンダー上の月単位のことです。 たとえ利用開始が「1月30日」であっても、1月分の報酬を請求するなら、1月中の訪問と記録が必要になります。
お気持ちは痛いほど分かりますが、これは運営基準違反になる可能性があります。
担当者会議とモニタリングは別物
もうひとつの理由は、会議とモニタリングでは「目的」が違うからです。
- 担当者会議: ケアプランを作るための話し合い
- モニタリング: サービスが計画通り進んでいるかの確認
この2つを混同して勝手に省略してしまうと、市町村の指導が入った際に、報酬の返還を求められるリスクがあります。
【具体例】月末スタートの現場のリアルと工夫
地域の相談窓口や病院から、「急ぎでお願い!」と27日や28日頃に新規の依頼が飛び込んでくること、よくありますよね。
大急ぎで初回訪問をして、29日や30日に担当者会議を開催。 そして31日にデイサービスへ。
「なんとか月末からサービス利用を開始できた!」と一息つきたいところですが、ここで同月内のモニタリングという壁が立ちはだかります。
連日の訪問は心苦しいのが本音
ルールを守るためとはいえ、現場では本当に心苦しい場面があります。
ご本人やご家族にしてみれば、「昨日も会議で来たのに、今日もまた来るの?」というのが本音でしょう。 やっとサービスが始まってホッとしているのに、連日対応するのはしんどいですよね。
私も「連日ですみません……」と平謝りしながら訪問をお願いしています。
現場で使える2つの工夫
少しでも負担を減らすため、私は現場で次のような工夫をしています。
- サービスの終了時間に合わせて訪問する デイサービスからの帰宅時や、ヘルパーさんの終了時間に合わせて訪問し、ご本人にサッと様子を伺います。
- 本人面談と家族への電話確認を分ける ルール上、自宅でご本人と面談できれば要件は満たせます。そのため、ご本人とは短時間で面談し、ご家族には後ほど電話で意向を確認して、記録に残すようにしています。
【対策】どうしても月内に訪問できない時の正しい対処法
ご家族の仕事の都合や、本人の体調不良など、どうしても月末内にモニタリング訪問の調整がつかない場合もあります。
そんな時は、勝手な自己判断をせず、以下の手順を踏んでください。
- あらかじめ保険者(市町村)に相談しておく
- 「特段の事情」として詳細な記録を残す
まずは、月内に訪問できない可能性が出た時点で、あらかじめ保険者に相談しておくことをおすすめします。

判断に迷った時も、保険者に相談するのが安心ですし、または、決められた通りに行うことです。
実は、市町村によっては「月末数日だけの利用なら、担当者会議での状態確認をモニタリングとみなす」といった独自のルールを設けている場合もあります。 迷った時は、自分で判断せずに管轄の窓口へ電話で指示を仰ぐのが一番安全です。
そして、どうしても訪問できなかった場合は、明確な理由を支援経過にしっかり記録してください。 「ケアマネが忙しかったから」は絶対にNGです。
良い記録の例: ご家族の仕事の都合により、〇月中の訪問日程の調整がつかなかったため、翌月〇日に訪問する。
まとめ:自己判断は最大の敵!ルールを守って身を守ろう
今回は、月末に新規利用が始まった際のモニタリングについて解説しました。
- 会議とモニタリングは別物であり、月1回の訪問は必須
- 連日の訪問になる場合は、サービス終了時に合わせるなど工夫する
- どうしても無理な場合は、自己判断せず保険者に相談する
- 訪問できない明確な理由を「特段の事情」として記録する
月末のバタバタした時期は、時間的にも精神的にも追い詰められ、「これくらい大丈夫だろう」と甘く考えてしまいがちです。
特に新人ケアマネの皆さんは、「先輩が来月でいいって言っていたから……」という言葉を鵜呑みにせず、必ずルールを確認する癖をつけてくださいね。
面倒なことほど丁寧に。 それが、あなた自身の資格と事業所を守る最大の防具になります。



