運営基準違反を防ぐ!ケアマネのモニタリング記録の書き方と法的根拠

運営基準違反を防ぐ!ケアマネのモニタリング記録の書き方と法的根拠

ケアマネジャーの皆さま、毎月の訪問と記録業務、本当にお疲れ様です。

最近、ニュースなどで「居宅介護支援事業所が行政処分を受けた」という報道を目にすることが増えていませんか? 実は先日、私の市で開催された介護支援専門員研修の「集団指導」でも、モニタリングの記録内容について指導を受けた事業所があるという報告がありました。

「自分は毎月ちゃんと訪問しているから大丈夫」と思っていても、記録に残っていなければ、法的には「やっていない」ことと同じになってしまいます。最悪の場合、運営基準違反として返還や指定取り消しなどの重い処分が下ることも……。

今回は、ケアマネの身を守るための「モニタリング記録の必須項目」と「法的根拠」、そしてITを活用しつつも陥りがちな落とし穴について解説します。

【結論】モニタリング記録は「法的根拠」を満たしているかがすべて

モニタリング記録において最も重要なのは、文章の上手さではありません。「法令で定められた項目を網羅して記録しているか」がすべてです。

どれだけ利用者様と深い信頼関係を築き、1時間以上親身に面談をしたとしても、記録に「変わりなし」「元気に過ごしている」としか書かれていなければ、実地指導(運営指導)ではアウトと判定される可能性が高いです。

まずは、私たちが守るべきルールの「根拠法」を確認しておきましょう。

モニタリングと記録の「根拠法」を知る

居宅介護支援におけるモニタリングの義務は、厚生労働省が定める以下の省令(運営基準)に明記されています。

【指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準】 (平成11年厚生省令第38号)第13条 第14号 介護支援専門員は、前号に規定する実施状況の把握(以下「モニタリング」という。)に当たっては、利用者及びその家族、指定居宅サービス事業者等との連絡を継続的に行うこととし、特段の事情のない限り、次に定めるところにより行わなければならない。 イ 少なくとも一月に一回、利用者の居宅を訪問し、利用者に面接すること。 ロ 少なくとも一月に一回、モニタリングの結果を記録すること。

このように、「月1回の居宅訪問と面接」そして「その結果の記録」は法律で定められた絶対の義務です。これを怠ったり、記録内容が不十分であったりすると「運営基準違反」となります。

指導を受けない!記録に必ず含めるべき必須文言

では、具体的に「どのような内容」を記録すれば運営基準を満たすのでしょうか? 私は普段から、以下の要素(文言)が記録に必ず含まれるように意識して作成しています。

  • 短期目標・長期目標の達成度合い (例:目標である「自宅内の転倒ゼロ」に対し、今月も手すりを活用し転倒なく過ごせているか)
  • 提供されているサービスの実施状況と満足度 (例:デイサービスの入浴で清潔が保てているか、本人は楽しめているか)
  • 利用者・家族の心身の状態や環境の変化 (例:食欲の低下はないか、家族の介護負担感は増えていないか)
  • サービス事業所との連絡調整(例:利用者及び家族のサービスに対する意向や、状況の変化について情報共有や、サービス事業所に対してモニタリング)
  • 新たな課題の有無・ケアプラン変更の必要性 (例:現在は現状のプランで維持できているため、次月も同サービスを継続する)
shin
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以外と、サービス事業所との連絡調整、利用者のサービス利用状況などが聞き取れていないことが多いのではないでしょうか

⚠️ ここが超重要!【保険者(市町村)ごとのローカルルール】 記録で求められる細かい文言やフォーマットは、保険者(市町村)によって独自のローカルルールが存在する場合があります。「私の市では〇〇という一文を入れないと指導される」といったケースもあるため、必ずご自身の管轄の保険者が提示しているガイドラインや集団指導の資料を確認してください。

IT・AIツールの活用と「落とし穴」への注意

以前のブログ記事でも書きましたが、私の事業所では、面談をボイスレコーダーで録音し、文字起こし・要約ツールを使用して記録を作成しています。

当事業所で使っているツールは、当法人が独自に開発した「モニタリング記録に最適化された専用ツール」です。そのため、先ほど挙げたような法令上の必須項目が漏れることなく、自動で適切なフォーマットに要約されるよう設計されています。

しかし、ケアマネの皆さんに強くお伝えしたいのは、一般的な(汎用的な)AI文字起こしツールなどをそのまま使う場合は、記録内容に十分気をつけてほしいということです。

AIが綺麗に要約してくれた文章でも、そこに「目標の達成度」や「プラン変更の要否」といったケアマネジメントの根拠となる法的要素が抜け落ちていれば、運営指導で指摘されてしまいます。ツールはあくまで補助として使い、最終的には必ず「運営基準を満たしているか」を人間の目でチェックしてくださいね。

まとめ

今回のポイントを振り返ります。

  • モニタリング記録の不備は「運営基準違反」として行政処分の対象になり得る。
  • 厚生労働省の運営基準(第13条)で、月1回の訪問と記録が明確に義務付けられている。
  • 記録には「目標の達成度」「サービス状況」「新たな課題の有無」などを必ず記載する。
  • 保険者(市町村)ごとのローカルルールを必ず確認する。
  • AI等のツールを使う際は、法的要件を満たしているか最終チェックを怠らない。

2024年の介護報酬改定で、一定の要件を満たした場合において、テレビ電話などを活用したオンラインモニタリングが始まりましね、詳しくは、介護保険最新情報Vol.1225の8ページをご確認ください。

shin
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要件は厳しいし、手間がかかりますよね。私の事業所では一度も実施したことはありません。

記録業務は毎月のことなので本当に大変ですが、事業所と自分自身を守るための「最大の盾」でもあります。この機会に、ご自身のモニタリング記録を見直してみてくださいね。

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